(5)地方債・赤字地方債
 地方債は、市町村の借金のことをいいます。
 自治体の借金のことを表す言葉がいくつかあります。
 @地方債  自治体の借金のこと・・・収入 自治体では歳入という
 A公債費  自治体の借金の返済額のこと、支出、自治体では歳出という
 B債務残高  自治体の借金の総残高・・・企業でいうと累積赤字
 C債務負担行為  リース料など、必ずお金を支払う約束をしていること

 自治体はお金がないという理由で借金をすることは本来は許されていません。
 地方債=借金ですが、お金を借りることが許されるのは交通事業・水道事業・公共施設建設・公共事業のための土地の先行取得・地方債をもっと金利の低い借金に変更するときの借り換え。と決まっています。
地方債は、将来の世代と現在の人が、公共投資で応分に負担するために、借金をして、将来の人にも負担してもらうという意味で、地方自治体が借金をするという意味です。でも、本当かなあと思うことがあります。

今は、財源不足が日常的になっていて財源対策債(赤字地方債)が大きな問題になっています。
国庫補助金や地方交付税が減額になったので、収入が支出に対して不足するので、赤字地方債、(人件費や福祉費などにも使っていいよ)が許されるようになりました。
その赤字地方債が、膨らんできています。
平成14年から始まった臨時財政対策債は、地方交付税の不足額を地方債で借りさせる制度です。

嵐山町では、連結決算(下水道会計や国民健康保険会計・一般会計を含んだ総会計で地方債の債務残高を報告していませんが・・・
実は一般会計だけでなく、嵐山町では水道会計、下水道会計に大きな地方債があります。
平成19年度の嵐山町の借金内訳は下のグラフになります。

普通の事業債と臨時財政対策債(赤字地方債)の額がほとんど同額です。


次のグラフには、下水道会計や水道会計の地方債は含まれていません。 
昭和60年から平成10年までは、いわゆる建設事業のための借金です。
平成11年・12年は減税補填債、平成13年から臨時財政対策債という赤字地方債が入ってきました。
平成21年度の予算では、いまのところ地方債のほうが6200万円ほど多いのですが、平成17年度や平成18年度、平成20年度では、赤字地方債のほうが多いのです。

総地方債の、務残高(借金総額)は、借金の金額は、返済する金額よりも少ない金額でというプライマリーバランスを保っているので、すこしづつ減額されています。
下水道会計は、まだ、計画区域全体に下水道が建設されたわけではないので、借金はしていきます。
平成21年度の総額では、96億2400万円になります。


他の自治体との比較は、市町村の決算統計に、一般会計の地方債のみしか記されていないので、比較することができません。
一般会計での一人当たりの借金額を比較してみました。

歳入の地方債・臨時財政特例債の比率の比較をしました。

臨時財政対策債は、東松山市2.8%から東秩父村4.6%となっていますが、事業にかかる地方債は
東秩父村では0で、滑川町9.3%です。財政状況のほか、基本構想の計画によって異なります。